総合格闘技界のカリスマとしてマットの内外で巨大な影響力を放ち続ける朝倉未来。ファンやファイト関係者の間で常に熱い議論の的となってきたのが、彼の主戦場である「階級」をめぐるテーマです。「本来の適正階級はフェザー級なのか、それともライト級なのか」「骨格に対して過酷すぎる減量を強いられているのではないか」といった疑問は、試合結果が揺れるたびに幾度となくクローズアップされてきました。
とりわけ過酷を極める水抜き減量と、試合当日のリカバリー幅は勝敗を分ける決定的な要素です。プロデビュー以前の不良時代から『THE OUTSIDER』での二階級制覇、そして日本の格闘技界を牽引してきたRIZINフェザー級戦線に至るまで、彼が刻んできた体重推移の全貌を紐解きながら、2026年現在の肉体状態と適正階級の真相に迫ります。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 主戦場と通常体重:主戦場はRIZINフェザー級(66.0kg)であり、オフ期の通常体重はおよそ76kg〜78kg前後を推移。
- 過酷な減量幅:試合に向けて約10kg〜12kgを削ぎ落としており、最終局面の水抜きだけで5kg前後を落とす過酷な調整を実施。
- 適正階級と今後の展望:骨格やパワー面ではライト級(70.3kg)も視野に入る一方、スピードとキレを最重視してフェザー級を維持してきた経緯があり、2026年現在の動向にも直結。
【結論】朝倉未来の階級はフェザー級?ライト級との境界線と通常体重の実態
朝倉未来がトップ戦線で戦い続けてきた主戦場は、一貫してフェザー級(66.0kg契約)です。しかし、ファンの間で「ライト級(70.3kg)が本来の適正階級なのではないか」という議論が絶えなかった背景には、彼のベースとなる骨格の太さと普段の体重設定に明確な理由があります。
本人が自身のYouTubeチャンネルや各種インタビューで明かしている通り、試合予定がないオフ期間の通常体重は75kgから78kgに達します。コンディションや筋力トレーニングの進捗によっては80kg近くまで増える時期もあり、一般成人男性の標準体型と比較しても極めて筋肉量の多いがっしりとしたフレームを誇ります。
ライト級で戦った場合、減量幅は約6kgから7kg程度にとどまり、内臓や筋力への負担は大幅に軽減されます。実際に2019年4月の『RIZIN.15』では、元ライト級王者であるルイス・グスタボと68.0kg契約で拳を交え、強烈な打撃戦の末に判定勝利を収めました。さらに過去には矢地祐介とのライト級ワンマッチが取り沙汰された経緯もあり、ライト級への転向説が幾度となく浮上しました。
それでも彼が66.0kgのフェザー級にこだわり続けた最大の理由は、「世界基準で戦うためのサイズ的アドバンテージ」にあります。ライト級の世界トップ戦線は、通常体重が85kgを超えるような怪物たちがひしめく階級です。体格差によるプレッシャーを回避し、自身の最大の武器である打撃のスピードとカウンターのキレを極限まで活かすため、あえて過酷なフェザー級を選択し続けてきました。
過酷を極める減量幅|75kg超から66kgリミットへの水抜きと計量結果の変遷
フェザー級で戦う朝倉未来にとって、最大の敵の一つが10kgから12kgに及ぶ減量幅です。総合格闘技の計量は前日に行われるため、多くのトップファイターは限界まで体脂肪を削った後、最後の数日間で体内の水分を意図的に排出する「水抜き」を敢行します。
朝倉未来の減量プロセスは、試合の約1か月半前から本格化します。食事管理によって体脂肪を削り、71kg〜72kgあたりまで基礎体重を落とした後、計量前日からの24時間で一気に約5kgの水抜きを行って66.0kgのリミットへ叩き込みます。この最終段階はまさに限界との戦いであり、サウナや半身浴を繰り返して汗を絞り出す姿は、過去の密着ドキュメンタリーでも幾度となく公開されて反響を呼びました。
これまでの主要な計量結果を振り返っても、彼はプロフェッショナルとして契約体重を一発でクリアし続けてきました。
- 2018年8月(RIZIN.12 / 日沖発戦):65.95kg(フェザー級契約クリア)
- 2020年11月(RIZIN.25 / 斎藤裕戦):65.90kg(初代フェザー級王座決定戦)
- 2022年9月(超RIZIN / フロイド・メイウェザー戦):70.0kg(ボクシングエキシビション契約)
- 2023年7月(超RIZIN.2 / ヴガール・ケラモフ戦):66.00kg(フェザー級タイトルマッチ)
- 2024年7月(超RIZIN.3 / 平本蓮戦):65.90kg(フェザー級ラストマッチ)
計量当日は頬が極限までこけ落ち、肌の艶を失った痛々しい姿を見せることも珍しくありません。計量パス直後から経口補水液や炭水化物を段階的に摂取し、翌日の試合開始までにおよそ72kg〜73kgまでリカバリー(体重を戻す作業)を行います。この激しい増減が、時として試合当日のスタミナ配分や打たれ強さに微妙な狂いを生じさせていたことも、格闘関係者の間では指摘されています。
THE OUTSIDER時代の二階級王者からRIZINの頂点へ|階級推移の歴史
朝倉未来のキャリアを振り返ると、階級の選択がファイターとしての成長曲線と完璧にリンクしていることが分かります。彼の名を一躍全国区へと押し上げた伝説の不良格闘技イベント『THE OUTSIDER(ジ・アウトサイダー)』において、彼は前人未到のアウトサイダー二階級王者に輝いています。
アウトサイダー時代に保持していたタイトルは以下の通りです。
- 65-70kg級王者:現在のライト級に相当する階級。恵まれたフィジカルと破壊力抜群の左ハイキックで王座に君臨。
- 60-65kg級王者:現在のフェザー級〜バンタム級中間に相当。過酷な絞り込みを敢行し、スピードと精度の高い打撃で圧倒して二冠を達成。
不良たちが集う荒々しいリングで、体格差をものともせずライト級相当のパワーファイターをねじ伏せる一方で、より軽量な階級まで体を絞り込んでベルトを奪取した経験が、現在の「自在な階級適応能力」の基礎を築きました。
2018年にRIZINへ参戦して以降は、RIZINフェザー級の絶対的なアイコンとして君臨。日沖発、カルシャガ・ダウトベック、矢地祐介(68kg契約)といった実力者を次々と撃破し、一気にトップ戦線へと駆け上がりました。過酷な減量を克服しながら階級のトップであり続けた事実そのものが、彼のアスリートとしての非凡な才能を証明しています。
「バンタム級転向」の噂はなぜ浮上したのか?適正階級を巡る専門家の見解
キャリアの過渡期において、一部の格闘技ファンや専門家の間で囁かれたのが「朝倉未来のバンタム級転向説」でした。現代の総合格闘技界では、北米のUFCをはじめ、過酷な減量に耐えて一階級下へ落とし、圧倒的な体格差で勝利をもぎ取るアプローチが主流化しているためです。
しかし、結論から言えばバンタム級(61.2kg)への転向は物理的に極めて非現実的です。その理由は彼の骨格構造と筋肉量を見れば明白です。
朝倉未来の身長は公称177cm(リーチ約178cm)。上半身のフレームが非常に厚く、骨太な体躯を持っています。フェザー級リミットの66.0kgまで落とした段階で、体脂肪率はすでに一桁台の前半まで絞り込まれています。そこからさらに約5kg削るとなると、体内の骨格筋を大幅に削ぎ落とすしか選択肢がありません。
専門のストレングストレーナーも「未来選手がバンタム級まで落とせば、持ち前の強靭なフィジカルや脳を守る筋力、さらにはパンチの威力が根底から損なわれ、選手生命を縮める極めて危険な行為になる」と警鐘を鳴らしていました。本人も動画内で「バンタム級は絶対に無理。骨を削らないと入らない」と完全に否定しており、バンタム級転向の噂はネット上の過熱した議論が生んだ幻想に過ぎません。
兄弟で異なる道|朝倉海との階級の違いと体格・ファイトスタイルの比較
朝倉兄弟の話題を語る上で欠かせないのが、実弟である朝倉海との階級の違いです。同じ遺伝子を持ちながら、兄弟が主戦場とする階級は明確に分かれており、それがそれぞれのキャリアとファイトスタイルを際立たせる要因となっています。
朝倉兄弟のフィジカルスペックと階級の違いを整理したのが以下の比較です。
- 兄・朝倉未来:
- 身長:177cm
- 通常体重:約76kg〜78kg
- 主戦場:フェザー級(66.0kg)
- スタイル:高い分析力と空間把握能力を活かしたカウンターファイター。近距離のフィジカルコンタクトにも強い。
- 弟・朝倉海:
- 身長:172cm
- 通常体重:約68kg〜70kg
- 主戦場:バンタム級(61.2kg) ※状況に応じてフライ級(56.7kg)も視野
- スタイル:爆発的なフットワークと一撃必倒の右ストレート、跳びヒザを軸にした超攻撃的ストライカー。
兄・未来がフェザー級特有の重厚な打撃戦と組技の攻防を繰り広げるのに対し、弟・海は世界最高峰のUFCバンタム級戦線へと乗り込み、スピードと瞬発力を武器に世界の頂点を目指す戦いを展開してきました。兄弟で階級が異なるからこそ、互いのスパーリングパートナーとして理想的な負荷をかけ合い、技術とメンタルの両面で高め合ってきた歴史が存在します。
朝倉未来の現在と肉体改造|2026年マット界での立ち位置と今後の動向
激動の歩みを経た朝倉未来の現在はどうなっているのか。2024年夏の平本蓮戦を経て、格闘技界の第一線を退く意向を示した彼ですが、その肉体と格闘技に対する情熱は決して潰えていません。
2026年を迎えた現在、彼は『BreakingDown(ブレイキングダウン)』のプロデューサーとしてのビジネスを拡大させる傍ら、格闘家としての肉体改造を新たなフェーズへと移行させています。一時期のような「計量に間に合わせるための過酷な削り作業」から解放されたことで、現在は76kg前後の極めてナチュラルかつ機能的な筋肉量をキープしています。
ウエイトトレーニングのメニューを刷新し、筋肥大だけでなく可動域と瞬発力を重視したトレーニングを継続。ファンの間では常に「フェザー級での電撃復帰」あるいは「ライト級やキャッチウェイトでのスーパーエキシビション」に対する期待が渦巻いています。
減量苦に縛られないナチュラルウェイトの朝倉未来が、どのような形で再びファンを熱狂させるのか。格闘技界における彼の存在感は、階級の枠組みを超越したひとつの「現象」として、今なお色褪せることはありません。
【朝倉未来の階級】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:朝倉未来の正確な身長と通常体重はどれくらいですか?
A1:公式プロフィールにおける身長は177cmです。試合予定のないオフ期の通常体重はおよそ76kg〜78kgを推移しており、筋力トレーニングの状況によっては80kg近くまで増加することもあります。
Q2:フェザー級からライト級へ完全に転向しなかった理由は何ですか?
A2:世界最高峰のライト級戦線には通常体重が85kgを超える屈強な外国人ファイターが多く、体格差による不利を避けるためです。自身の最大の武器であるスピードとキレのあるカウンターを最大限に活かすため、過酷な減量を乗り越えてフェザー級(66.0kg)を主戦場として選び続けました。
Q3:試合当日はどれくらい体重をリカバリー(回復)させていますか?
A3:前日計量を66.0kgジャストで通過した後、水分と炭水化物を計画的に補給し、翌日の試合開始時点でおよそ72kg〜73kg前後(約6〜7kg増)まで体重を戻してケージやリングに上がっています。
まとめ:過酷な階級闘争の先に見据える朝倉未来のネクストステージ
朝倉未来という稀代のファイターを語る上で、「階級」と「減量」の軌跡は切っても切り離せない重要なファクターです。通常体重76kgを超える頑強な肉体を持ちながら、自らに厳しい節制を課して挑み続けたRIZINフェザー級での激闘は、日本の総合格闘技史に深く刻まれています。
ライト級のパワーとフェザー級のスピード、その狭間で常に最善の選択を模索し、限界に挑み続けた彼のキャリア。過酷な体重管理から解放された2026年現在の研ぎ澄まされた肉体が、今後どのようなエンターテインメントや戦いへと昇華されていくのか。稀代のカリスマが歩む次なるステージから、今後も目が離せません。 (出典: 朝倉 未来 階級(Yahoo!ニュース))